花育について

花の歴史

【中国紀元前207〜220年】
中国では古くからハーブを薬草として利用していました。花は絵画、彫刻品などの芸術品や工芸品として発展しました。花の命を粗末しない考えと芸術品としての価値から、花を飾るようになりました。

【エジプト紀元前3000〜332年】
エジプトでは紀元前3000年頃には花を装飾品として使っていました。花や葉の意味を重視し、贈り物や自分の身につけるためなどに用いられました。このとき既に、バラ・アネモネ・水仙・ポピーなどが使われていました。

【ギリシャ時代紀元前600〜146年】
ギリシア時代には、花を花瓶に挿すのではなく、リースやガーランドとして利用してきました。リースには永遠と再生という意味があり、頭にかぶせたり首に巻いたりしていました。冠やガーランドは、勝負に勝ったものやリーダーに与えられたり、恋人同士で交換するものになっていました。
ローマン帝国時代には、花びらは優雅にベッドや床に散りばめられるようになり、どんぐり・アイビー・月桂樹・パセリ・ローレルなど、今でもよく使われる植物を使っていたようです。また、花はヒヤシンス・バラ・すみれ・ゆり・マリーゴールド・チューリップなども好まれていました。
395〜1453年のビザンチン帝国では、コーンスタイルのフラワーデザインが行われていました。ゆり・デイジー・カーネーション・サイプレスなどがよく使われていました。
その後、ヨーロッパに暗黒の時代が訪れます。フラワーデザインが衰退したあと、植物や花は薬草にしたり、料理に加えたりして活用されるようになりました。

【イタリアンルネッサンスの時代(1300〜1600年頃)】
フラワーアレンジメントがヨーロッパ中に広まりました。貴族の間では、ベネチアガラスや大理石などでできたコンテナが花を引き立てました。庶民の間でもシンプルなフラワーアレンジメントが好まれました。
ルネッサンス時代の隆盛後、テュダー王朝が始まります。ルネッサンス時代の影響を受け、芸術や文化、科学、園芸に関心が集まりました。
17世紀オランダでは生活が向上し、園芸が発展しました。特にチューリップの人気はすごいもので、1637年にはチューリップ・バブルが起こりました。
ジョージ王朝時代にはたくさんの芸術家が誕生しています。いろいろなところに新鮮な花が使われ、女性が身につける服や髪飾りにも使われました。この時代、バロック様式からロココ様式へと変化していきます。
ロココ時代の特徴は、バロックと違って軽やかなところがあります。ロココはフランスを中心に広まった装飾様式で、フラワーアレンジメントにおいても、フランスのスタイルが取り入れられました。マリーアントワネットの時代です。

【近代の歴史(1800〜1945年頃)】
ヴィクトリア王朝時代には、いろいろなシーンに合わせて植物が使われていました。ドライフラワーが流行になったのも、この時代です。
1890年代末、アールヌーヴォーという装飾様式がヨーロッパからアメリカへ広まりました。ボウルや花瓶にシンプルに挿した、フラワーアレンジメントが好まれました。
アールヌーヴォーでは日本の美術の影響を受けているところがあり、フラワーアレンジメントでも、いけばなの影響が見られます。
1920〜1930年代ヨーロッパやアメリカを中心とした、アール・デコ・スタイルが発展しました。フラワーアレンジメントでは、自然に生育している状態が好まれ、切花をシンプルに生けています。

【日本での歴史】

日本の伝統、生け花
日本では、平安時代には仏教とともに花を供えたり、花を挿す習慣があったようです。生け花(いけばな)の始まりです。生け花の道を追求したものを華道(花道)といいます。華道は室町時代の中期に確立しました。

日本のフラワーデザインの始まり
日本にフラワーデザインが伝わったのは、日本にとどまったアメリカ人によるものでした。1967年には日本フラワーデザイナー協会(NFD)が設立され、資格試験はアメリカ式のもので行われました。
現在のヨーロッパの方式になったのは、1981年、イギリスとの国際交流が始まってからのことです。
ドイツでは、新しいデザインや斬新な作品が発表され、これまでのイギリスの伝統的なデザインとの融合によって、ヨーロピアン・デザインが誕生しました。2003年には「新ヨーロピアン」の名前で新しい資格試験が始まりました。

Edible Flower/食べるお花エディブルフラワー

エディブルフラワーとは食べるお花のこと、観賞用とは違い野菜と同じように安心して食べるためにつくられたお花です。